ハケンの畦道

ハケンとして働いて思うことあれこれ。

男は狼でなく。

狼と犬は遠い親戚ではあるけど、人間との関わりは随分と違う。
犬は人間と能力と取り替えたという人がいる。人間は臭いを嗅ぎつける能力を犬に譲り、犬は人間の食べ物を消化できるようになった。人間は犬の運動能力を利用して他の生き物を飼ったり狩ったりできるようになり、犬は人間に守られて安全に繁殖できるようになった。

犬は狼の姿や能力を残してはいるけれど、もう犬は狼ではない。
そして人間の男も、狼ではない。
人間の男は、大半が弱虫で卑怯で惨めな、羊だ。働き蟻ですらない。働き蟻は雌だ。雄はあんなには働けない。
弱虫や卑怯者は、数を頼みとする。大勢で寄ってたかって立場の弱いものを虐める。それを楽しむ。弱虫で卑怯者だから、言い訳ばかりする。腹が立ったから。カッとなったから。プライドを傷つけられたから。人に取られたくなかったから。
あの人は職場に欠かせない人だから。あの職場は体質が古いから。自分達とは文化が違うから。

ああ、これじゃ羊に失礼だね。

外資系には雌狼がたくさんいて、とても居心地が良かった。
雌狼はとてもプライドが高くて賢いので、強くて優しい。
どんな質問をしても瞬時に返してくれる。逃げない。正面から受け止めてくれる。個性的で美しく、自由闊達だ。
雌で、女で良かったなと、つくづく思う。男に生まれなくて、本当によかったなと、心底思う。