ハケンの畦道

ハケンとして働いて思うことあれこれ。

おためごかし的な言い方には「おためごかシール」

長いこと生きてると、こういう言い方って勘に触るなあってことがままあって。
耳にしたくないフレーズとか単語とか。最近はあんまり流行語らしいものはないけど、それでも当然みたいに繰り返されてうんざりな言葉って、結構ある。


今の会社ではいろんなイベントがある。国内の支社をつないで講演会とかレクチャーとか。薬のことだけでなくて、法律のことなんかも。外資なのでフランク。コーヒーと紅茶、ちょっとしたお菓子も出たり。最初の頃は専門用語が多くてほとんど分からなかったけど、だいぶ理解できるようになってきた。すると楽しいね。
んで、この間は卸の人がゲストで来てた。さすが営業、時間ぴったり、内容も分かりやすくて良かった。ずっと練習してたんだそうです。
でもね、なんかね。
卸の仕事は在庫管理から始まって流通につながっていく。製品を確実に運ぶ。それが卸の使命。
っていうのを強調したいんだと思うけど、ポスターの中に震災が出てくるのよね。二回も。阪神と東日本。
それって、瓦礫の中で助けを待ってる人や救助に向かう緊急車両をものともせず真っ先に製品を届けました凄いでしょってこと、ではないんだろうけど、それを高らかに読み上げる男子に、めっちゃ違和感でした。
常に供給され続けなければいけないものはあれこれあって、まずは水。でも、ある程度の在庫は各家庭にある。水道が止まったからってその瞬間に喉が乾いて死ぬわけじゃない。病院の点滴や手術なんかはまた別の話だし、電気やガスだってむしろ無理に通さないほうがいいこともある。
薬もそう。ある程度在庫はどこの病院にもあるはず。
それよりも、本当に緊急の、それがないと命に関わるところがどこなのか、常に把握しておくことが大事なんじゃないのかね。災害は震災だけじゃない。適正で迅速な在庫管理ができるシステムを日頃から維持しておくことの方が、納期に間に合うことなんかよりずっと大事なんじゃないのかね。
みんな忘れたのかな。納期に間に合う、到着時間に間に合うことを最優先した電車がどうなったか。


私が一番嫌いなおためごかしは「亡くなった○○さんのかわりに頑張って勉強しなさい」てやつ。聞いたことあるでしょ。私の場合は中学の国語教師だった。踏切の事故で亡くなった友達の葬儀の時に、偉そうにぶってたよ。
かわりなんていない。かわりにはなれない。

いないしなれないから生きていることに意味があるんでしょ。
人が亡くなったことを教訓にしようとする、背筋が寒くなるくらいの軽々しさ。