ハケンの畦道

ハケンとして働いて思うことあれこれ。

ハケンになった時って平成になってたっけか

今週のお題「平成を振り返る」
畦道はけっこう歳を取っているので平成元年になった瞬間は覚えている。
昭和が終わる少し前、ソビエト連邦ってなくなるんだろうか、と国鉄の車内で話してた。昭和もソビエトも、国鉄も終わってしまった。
昭和の終わりにはお正月が来なかった。駅までの道なりに半紙に書かれた「平成」が点々と貼り付けられていて。奇妙な光景だった。昭和の終わりと平成の始まりは荘厳でしめやかで、でもなんか息苦しくて。もちろん提灯行列なんてできなかったし。号外を奪い合うのは感心しないし、お祭り騒ぎしすぎだけど、あの息苦しさは辛かったな。
地方公務員を辞めてぶらぶらしていた畦道は、その頃は小説を書いていた。講談社が時代小説の公募をしていた。それまで現代小説の短編しか書いてなかったけど、生まれて初めて時代小説、しかも原稿用紙360枚の長編を書いた。ビギナーズラックだろう、最終選考に残った。
そういえば原稿はワープロで書いてたなあ。サンヨーだった。プリンターもついてるやつだった。十万円くらいしたよ。感熱紙に印刷したっけなあ。なんやかんやで今はMacでブログ。
始まりは静かだったけど災害の多い時代だったね。平成の半紙が翻っていた道の両脇が瓦礫の山になった。駅が静まり返った。それで携帯電話やインターネットが広まって、自衛隊の意味も見直されたけど。それは戦争で科学技術が進歩するのと同じく、喜ばしくも望ましくもないこと。
平成は戦争をしないまま終わりそうだけど、日本人は結局昭和の頃からあんまり変わっていないな。個性がなくて真面目で大人しくて、けど実はみんなテロリストだ。優しそうに見えるけどみんな意地悪で、自分のことしか考えてない。
かくいう畦道だって人のことは言えない。ごく親しい人のことしか気にかけなくなった。でないと辛いから。隣の町の人のことや遠い町のこと、海の向こうの人たちのことまで考えていたら身が持たないもの。科学は平和をもたらさない。冷戦が終わっても戦争はなくならない。
どうやって前を向けばいいんだろうね。どうやって、新しい時代を切り開いていけばいいんだろうね。
あの時も分からなかったけど、今も分からない。